予防歯科
当院では予防歯科にも力を入れて取り組んでいます。
抜歯した歯は二度と生えてくることはなく、むし歯で溶けた歯質や治療で削った歯質も元通りになることはありません。そしてむし歯治療を何度も繰り返し行っていると歯へのダメージは蓄積され、将来の失歯リスクを高めてしまいます。
そのため歯の健康を長く維持するには、むし歯や歯周病になってから「治療のため」に歯科医院に通うのではなく、むし歯や歯周病にならないよう「予防のため」に歯科医院に通うという意識を持つことが非常に重要です。
予防歯科に通っている方は80歳になった時の残存歯数が平均15本前後あるのに対し、予防歯科に通っていない方は残存歯数が平均5本前後と、大きな差が出ることが認められています。
ご自身の歯で食事や会話をいつまでも楽しむためには、毎日の丁寧なホームケアと歯科医院の定期検診で適切なメインテナンスを行い、口腔トラブルを予防することがとても大切です。
歯周病は予防で守れます

日本人が歯を失う1番の原因は歯周病であり、成人している方の約8割は歯周病または歯周病予備軍であるといわれています。そして歯周病は歯を失う危険性があるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、認知症、誤嚥性肺炎などさまざまな病気を引き起こす危険性がある病気ですので、予防と早期発見・早期治療を行うことが大切です。
歯周病は原因となるプラークを溜めないようにすることで予防することができます。
毎日の正しいブラッシングと定期的な歯科医院でのクリーニングでプラークや歯石を徹底的に除去し、清潔なお口を保つようにしましょう。
また、喫煙習慣や食生活の乱れ、ストレスなども歯周病を進行させやすい原因となりますので、生活習慣にも気を付けるようにしましょう。
予防歯科のメリット
- いつまでもご自身の歯で食事や会話を楽しむことができる
- 治療にかかる費用を抑えることができる
- 全身の健康を守ることができる
- 口腔内を清潔に保つことができる
- 痛みなどの症状が出る前に発見し治療することができる
- 早期治療で簡単な処置だけで改善できる
当院の予防歯科メニュー
歯の健康を長く維持するためには、定期的に歯科医院での検診と予防ケアを受けていただくことが大切です。
歯に付着した歯垢や歯石を歯科医院で定期的に徹底除去し、口腔内を清潔に保つことで口腔トラブルを防ぐことができます。
定期検診
定期検診では、お口の中を隅々まで細かくチェックし、むし歯や歯周病などの口腔トラブルの有無を確認します。
むし歯や歯周病の初期段階は自覚症状がほとんどなく、ご自身で気付くことが難しいため、歯科医院でのチェックがとても重要です。むし歯や歯周病は初期のうちに発見し早期に治療を開始すれば、歯へのダメージも少なく、簡単な処置で改善することができます。
歯の健康をできるだけ長く維持するためには、約3ヶ月ごとに歯科定期検診に通い、口腔トラブルの予防と早期発見・早期治療を行うことが大切です。
クリーニング
ご自宅での歯磨きでは落としきれない汚れや歯石、着色をプロのクリーニングで徹底的に落とします。専用の器具と薬剤を使用して、歯の細部の汚れまで丁寧に除去し、表面をなめらかに磨き上げます。細菌が繁殖するプラークや歯石を徹底的に取り除くことで、むし歯や歯周病を予防することができます。
また歯の表面をツルツルに仕上げるため、クリーニング後しばらくは汚れやプラークの付着を防ぎ、お口を清潔に保ちやすいです。
フッ素塗布
高濃度のフッ素を歯の表面に塗布することでむし歯を予防します。フッ素には歯の再石灰化を促す作用や、歯の表面のエナメル質を強化する作用、むし歯の原因となるミュータンス菌の活動を抑制する作用などがあります。ごく初期のむし歯であればフッ素塗布によって自然治癒に導くことが可能です。
約3ヶ月に一度の頻度で定期的にフッ素塗布を行うとむし歯予防に効果的です。
歯磨き指導
患者さまのお口の状態や磨き方の癖、磨き残しの多い箇所などをしっかり把握し、一人ひとりに合った正しい歯磨きの方法をレクチャーいたします。
歯並びやお口の大きさは人それぞれ異なるため、それぞれに適した歯ブラシの選び方や動かし方を分かりやすく丁寧に説明いたします。
むし歯や歯周病を予防するためには、毎日の正しい歯磨きで汚れや歯垢をきれいに取り除くことが大切です。
エアフローによるワンランク上の予防ケア
エアフローとは、超微細なバウダー粒子をジェット噴射で吹き付けることによって、歯の表面にこびりついた汚れや細菌の塊(バイオフィルム)、タバコのヤニや着色汚れを落とすことができる機器です。
エアフローの超微細なパウダーであれば、通常のクリーニングでは届かない部分の汚れも取り除くことができます。歯列矯正治療中の器具周辺の汚れの除去や、4mm以上の深さの歯周ポケット内の汚れの除去にも適しています。また、パウダーの粒子が非常に細かいため、歯や補綴物、歯肉などを傷つけることがなく、より安全にクリーニングすることができます。
ご自宅でのセルフケア
むし歯や歯周病を予防するためには、ご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロケアの両方のケアが必要不可欠です。いくら定期的に歯科医院でクリーニングを行っていても、毎日の歯磨きがきちんとできていないと細菌が増殖し、むし歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
プラークは食後8時間ほどで形成され、48時間ほどで石灰化して歯石に変わっていきますので、食後は正しい歯磨きを行い、プラークを溜めないようにしましょう。
また、歯と歯の間などは汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを使って汚れを取り除くようにすると予防効果を高めることができます。
歯磨き
ご自身のお口の大きさに合った歯ブラシで歯を1本1本丁寧に磨くようにしましょう
歯磨きの際は、強い力をかけてしまうと歯や歯肉を傷付けてしまうため、力をかけすぎず毛先を小刻みに動かすようにしましょう。また、歯の表面だけでなく歯と歯の隙間や歯周ポケットの汚れを落とすことを意識して磨くようにすることも大切です。
当院の歯磨き指導では患者さまの歯並びに合った正しい歯磨きの方法を丁寧にレクチャーいたします。
デンタルフロス
汚れやプラークは歯と歯の間にとても溜まりやすいです。お口のトラブルを防ぐためにはデンタルフロスや歯間ブラシを使って隙間の汚れもしっかり落とすことが大切です。
デンタルフロスは使い方が最初の頃は難しいと感じるかもしれませんが、慣れれば簡単に使えるようになります。当院ではデンタルフロスの使い方のコツも分かりやすくレクチャーいたしますので、しっかり習得し清潔なお口を維持するようにしましょう。
未来の自分のために、今できるケアを。
歯を失ってしまった際にインプラントなどで機能を補うことができますが、天然歯に勝るものはありません。
80歳時点で28本ある永久歯のうち20本以上の歯が残っていれば、生涯ご自身の歯で食事や会話を満足に楽しむことができるといわれています。また、歯周病は重症化すると糖尿病や心疾患、脳梗塞、認知症、誤嚥性肺炎などの全身疾患を招くおそれもあります。
歯科医院に定期的に通いむし歯や歯周病を予防することは、介護に頼らず自分で最低限の生活ができるという「健康寿命」をのばすことにもつながります。
さらに、予防ケアのために定期的に歯科医院に通うことで、口腔トラブルを早期に発見することができます。早期に発見し、早期に治療することは、心身にかかる負担を軽減するだけでなく、治療にかかる費用の負担を抑えることにもつながります。
当院では、患者さま一人ひとりのお口の状態とライフスタイルなどに合った予防ケアを行っています。毎日の丁寧なホームケアと定期的な歯科医院での予防ケアで、歯の健康を長く維持するようにしましょう。